2012年4月25日水曜日

薬物治療の特徴や治療継続の重要性について


 薬物治療で、まず注意すべきことは、抗うつ剤の効果がすぐには現れないということです。治療を開始してから約1週間で、若干の改善がみられるのが普通ですが、十分な効果が現れるまでに4〜6週間はかかります。
   

    
 これに対して、抗うつ薬の副作用はすぐに発現します。副作用が強い場合は、他の抗うつ薬に変更するなど、主治医とよく相談する必要があります。しかし、口渇、便秘などは、抗うつ薬の副作用としてだけでなく、うつ病の症状としても現れる場合がありますので、どちらが原因か注意する必要があります。


減量のために身体をデトックス
                                                                             
いつまで抗うつ薬を服用しなければならないか?

 薬物治療について患者さんから受ける質問で最も多いのは、いつまで抗うつ薬を服用しなければならないかということです。その背景には、よくなればできるだけ早く薬をやめたいという考えがあると思います。また、なるべく薬に頼りたくないという気持ちが強い方も多いと思います。

 しかし、注意すべきは


前歯の痛み風邪
うつ病は再発しやすい病気ということです。早期に抗うつ薬を中止してしまうと、約半数の方は再発してしまうといわれています。しかも、うつ病は、再発を繰り返せば繰り返すほど、一層、再発しやすくなる
という傾向があります。うつ病を繰り返すと、脳内に何らかの変化が生じてしまって、そのためにうつ病にかかりやすくなるからです。そういうわけで、初回にきちんとした治療を受けることが、たいへん重要です。



高血圧症とアルツハイマー病
 うつ病の治療を開始してから、症状が改善し、かつ安定するまで、通常、 6〜12週間かかります。これをうつ病治療における急性期といいます。うつ病が治療に反応し、よくなった場合を寛解したといいます。さらに、こうした寛解状態が、4ヶ月以上安定して続いた場合は回復したといいます。完全に回復する前に、症状が再び現れた場合は再燃したといい、完全に回復した後に、症状が再び現れた場合は再発したといいます。

 薬物治療は、うつ病の再燃を予防するために、その後もさらに6ヶ月は継続しなければなりません。この時期を継続期といいます。その後は、1ヶ月程度かけてゆっくりと薬物の量を減らし中止します。ただし、3回以上うつ病をくり返した場合などは、再発を防止する目的で維持療法を続けなくてはなりません(詳しくは、本文を参照してくだ� ��い)。


 初めてうつ病にかかった方の場合、うつ病がよくなってからも、目安として6ヶ月程度は抗うつ剤を継続して服用することが必要です。それは、うつ病がよくなってもしばらくは、脳内に起きた変調が完全に改善されたわけではなくて、抗うつ薬の支えで脳内の変調をなんとかカバーできている状態といえるからです。抗うつ薬の支えなしに、脳内で正常な神経伝達が行われるようになるためには、うつ病がよくなってからもしばらくの期間が必要なのです。

 抗うつ薬は、クセになったり、慣れを生じたりといったことが起こりにくい薬物といわれていますので、長期に使用しても問題はありません。抗うつ薬の継続は、うつ病の再発を防ぐだけでなく、うつ病にかかりやすくなってしまうということから脳を守る「脳保護」のためと考えていただくとよいでしょう。手足に傷を負った場合は、傷が治るまで、塗り薬を塗ったり、ガーゼなどで傷を保護したりしますが、抗うつ薬の継続は例えていうとこのようなことだと思ってください。


以下のような場合に当てはまる方は、さらに長期間にわたって抗うつ剤を継続する必要があります。詳細については、主治医に相談してください。

・ 3回以上うつ病にかかった場合
・ 今回のうつ病が、重度にあたる場合
・ 最初のうつ病のエピソードが、20歳以前の場合
・ うつだけではなく、そうとうつを繰り返す場合
・ 薬をやめて、1年以内に再発した場合
・ 治療を受ける以前から慢性化している場合

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